認知症の母に見えている世界
同じ質問を繰り返す、どこに居るのかわからない・・・。
脳の機能の問題で、そのような言動が起こることを頭では理解できます。
しかし、認知症じゃない自分にとって、同じ目線でいるのが難しかったことで、イライラしたり、悲しくなったり、お世話だけでなく、自分の感情の対処にも忙しくなりました。
そんな矢先、1つの映画、1つの絵本と出会いました。
いずれも、今の母に見えている世界、そして思いを完全に理解することはできなくても、想像することで、少し寄り添えるようになったり、母への感謝で自分が癒されたり、とても良かったので、同じ体験が始まった方にも紹介したりしています。
本日は、その2つの宝物のご紹介です。
映画「ファーザー」
認知症を発症した父親と、その娘のヒューマンドラマです。
通常は、発症した周囲の家族や恋人などの目線で描かれることが多いと思いますが、この映画は認知症の父親目線も描かれています。
そのため、見ていて、少し混乱もしますが、認知症の方が、どのように世界が見えているのか、ということを、リアルに体験することができる映画だと思います。
父親役は、「羊たちの沈黙」でも有名な、アンソニー・ホプキンスが演じています。
娘役は、オリヴィア・コールマン(「女王陛下のお気に入り」)が演じています。父親と対峙する時の戸惑いと衝撃、症状が刻々と進行していく父を、施設に入れた方がいいと力説する恋人との間で起こる葛藤。
ただただ共感しかなく、これほどリアルに描かれているほど、世界中で多くの人が同じ体験をしているのだと思わされました。
手紙〜親愛なる子供たちへ〜/樋口了一
最初は絵本を紹介され、涙なく読むことができず、辛くなったら又読もうとすぐに本を買いました。
その後、その絵本の言葉がそのまま歌になっていることを知り、時々歌も聴いていました。
これは、もともと、ポルトガル語で書かれていたもので、高齢になったある母親が子供たちにあてて書いた手紙を、日本語にしたもの、と聞いています。
冒頭は、「年老いた私が、今までの私と違っていたとしても・・・」と始まります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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